2010/03/18

大きいモーター

大きいモーター(人を乗せて動かすなど)についてです。
オリエンタルモーターには様々な種類のモーターがありますが、その中でもブラシレスDCモーターBLHシリーズを紹介しておきます(以前使ったことがあるので)。ACモーターにも小型なものから大型のもの、一定速度向きのもの、速度可変可能なものなどありますが、

DCモーターのメリットとして:
・起動トルクが大きい(同出力ACモータに比べれば小型)
・速度制御が容易
・DCバッテリーを使ってスタンドアロンにできる


種類:
ブラシレスDCモーターBLHシリーズには15W、30W、50W、100Wの4種類があります。ギヤヘッド(減速機:5~200倍)との組み合わせでより大きなトルクを得ることができ、100Wのものであれば余裕で人間を乗せて動かすことはできます。
また、「平行軸ギヤヘッド」と「中空軸フラットギヤヘッド」の2タイプがあり、「中空軸フラットギヤヘッド」のほうが回転軸方向に対して省スペースであり、またモーターのトルクを最大限活用できるようです。

価格:
15W:29,900円〜30,500円(平行軸ギヤヘッド付き)
30W:33,300円〜34,800円(平行軸ギヤヘッド付き)
50W:36,500円〜37,950円(平行軸ギヤヘッド付き)
100W:44,600円〜46,400円(平行軸ギヤヘッド付き)

30W:38,000円〜40,000円(中空軸フラットギヤヘッド付き)
50W:44,000円〜46,000円(中空軸フラットギヤヘッド付き)
100W:53,000円〜55,000円(中空軸フラットギヤヘッド付き)


使用例:平行軸ギヤヘッドタイプ、100W、減速比100、価格45,500円の場合
・BHLモーター(ギヤヘッド、ドライバ含む)
・バッテリー(DC24V:1.5V乾電池なら16本)
・Arduinoボード(回転方向切替、速度制御)
・Arduino用電源(上記バッテリから降圧させて接続も可)

以下はオリエンタルモーターが説明している接続例です。

・コンビタイプ:モーターと減速ギヤ部分(取り外し可能)がセットになっています。
・ドライバ:ドライバを介してモーターとバッテリーと接続し、Arduinoなどで制御するための端子がついています。
・プログラマブルコントローラ:回転制御装置(Arduinoを使う)
  その際、PWM制御つまりanalogWrite()コマンド(0~255の256段階)でスピード調節ができます。
・DC24V電源:ラジコン用の充電式バッテリーを24V分直列つなぎしても可。
  AC100VからDC24Vを得るにはAC-DC変換するインバーターなどが必要です。
・取付金具(モーターを取り付ける専用金具)
・モーター回転速度表示計(Arduinoで行えばよい)
・外部速度設定器(Arduinoで行えばよい)
・フレキシブルカップリング(モーター回転軸と車軸などを連結する部品、衝撃/軸ズレ吸収材)
・タイミングベルト・タイミングプーリ(他の回転軸に連動させるときの部品:KANA参照


ドライバとArduinoの接続例:
BLHシリーズの専用ドライバ(15W/30W/50W)には、以下のようにたくさんの端子がありますが、主に制御に使う端子は回転方向切替と速度調節の二つなので、その他の端子をArduinoボード(GND/5V)と接続してしまえばそれほど難しくはありません。

上部CN1の1、2には24V電源/バッテリーを接続。
その下CN2が基本的に信号用端子であり、図中ONの場合0V、OFFの場合5Vを送ります。

12:非接続
11:Arduino GND端子もしくはdigital(pin,LOW)でON:スタートにしておく
10:Arduino GND端子もしくはdigital(pin,LOW)でON:ランにしておく
 9:Arduino digital(pin,HIGH/LOW)、HIGH/LOWをプログラム上で切替えて正転/反転制御する
 8:Arduino 5V端子もしくはdigital(pin,HIGH)でOFF:外部制御にしておく
 7:Arduino 5V端子もしくはdigital(pin,HIGH)でOFF:通常運転時にしておく
 6:非接続(ボリュームなどで操作する場合は5V電源をここからとることができる)
 5:Arduino PWM:analogWrite(pin,value)でプログラム上value(0~255)を変えて速度制御する
 4:Arduino GND端子
 3:Arduino GND端子
 2:非接続(速度を読み取る場合は接続)
 1:非接続(アラームを読み取る場合は接続)

配線が複雑に見えるかもしれませんが、

GND:3、4、10、11番端子
5V :7、8番端子

以上はそれぞれ共有できるので(Arduinoボードに接続するだけ)、

正転/反転制御:9(digitalWrite()で制御)
速度調節制御 :5(analogWrite()で制御)

これら二つをそれぞれ可変的にプログラム上で制御することになります。
メインスイッチや非常停止などもプログラムするならば、10、11も可変的に扱うことになります。


トルク:100Wタイプでギヤ減速比1:100の場合:
30Nmのトルクがあり、30Nm=3.06kgfmとなり、軸中心から半径1mの距離において3.06kgの力で回るので、直径10cm(半径5cm)の車輪を取り付けたならその20倍(約60kg)の力で押す(あるいは引く)ことができるということになるので、水平移動なら9人分、あるい一人分なら直接持ち上げることもぎりぎりできそうです。

以前、キャスター付きのイスに50kgの人を乗せて水平方向に引っ張る実験をしてみましたが、そのときに必要な起動力(静止摩擦力)は約6~7kgでした(一旦動いてしまえば、その後はそれほど力はいらない)。
結果はイスの重さ、床面の凹凸、キャスターの精度などで左右されますが、その程度の力があれば人間を引っ張って動かすことができます。


まとめ:上記条件で
30W+ギヤ減速比1:100なら6Nm(0.61kgfm:車輪径10cmの場合12.2kgの力)、1~2人平行移動。
50W+ギヤ減速比1:100なら16Nm(1.63kgfm:車輪径10cmの場合32.6.kgの力)、4~5人くらいの平行移動。
100W+ギヤ減速比1:100なら30Nm(3.06kgfm:車輪径10cmの場合61.2kgの力)、9人くらいの平行移動。

ただし、上記の計算は平行軸ギヤヘッド(減速比1:100)、車輪径10cmの場合なので、車輪の径を小さくしたり(半分にすれば2倍)中空軸フラットギヤヘッドタイプを使えばもっとトルクを得られるし、車輪の径を大きくしたり減速比を小さく(1:10など)すれば回転速度は速くなるけどトルクは小さくなってしまいます。

100W+ギヤ減速比1:100、車輪径10cmのとき、60kgをぎりぎり持ち上げることができそうです。

ちなみに、タミヤギヤードモーター 540K300(AO-8037)(540モーター/減速比1:300)の場合:

最大効率時トルクが48kgcm(7.2V使用)なので、直径10cmの車輪を用いた時でも約9.6kgで引っ張ることができるので、一人水平移動することはできそうです。ただし、速度は30cm/sec程度です。


モーターを選ぶには:

押す(引く)ものの重量を設定(計測)し、
・車輪の軸径(小さいほどトルク大)
・ギヤヘッドの減速比(5~200倍:大きいほどトルク大、速度は遅くなる)
・モーターのW数(大きいほどトルク大、消費電力大、AC電源使用の際は高容量のインバーターが必要になる)
などを決定する必要があります。

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関連:
モーターの種類

1 件のコメント:

  1. 今更ながら資料性が高くて為になります。。。

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